日々のあれこれ時々、地盤塾。

地盤塾主宰者の千葉由美子が、日々の中で良いと思ったことや気付いたこと、地盤塾の様子などを綴っています。どんなことに気を留めて、どんなことを考えているのか、知ってもらえたら嬉しいです。

大阪地盤塾 第1回「地形と地盤調査」 参加者全員の所在地のハザードマップを教材に。

3月27日(水)は、大阪地盤塾の第1回「地形と地盤調査」でした。

 

今回の参加者数は10名。まだまだ小ぢんまりですが(^^;)

小ぢんまりならゼミ形式でやろうかな、と机はI型に並べ、全員が顔を突き合わせるようにしました。

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今回は地形の話がメインなので、しょっぱなから「土地条件図の探し方」という聞き漏らしたらついて行かれなくなる話なので、みなさん曽根氏の説明とテキストを真剣に追っています。

 

この土地条件図・航空写真・地形図は、国土地理院のホームページから閲覧することができます。

地盤塾では、どこから入ってどこをクリックするればよいか、何を閲覧すればよいか、といったところをステップを踏みながら説明していきます。

ホームページを順を追って説明するので・・・

 

みなさん、スマホタブレットを取り出し、曽根氏の説明を聞きながら実際に地図を探して見ています!

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地形って、馴染みがないと言葉で説明されてもよく分からないですよね。

なので、このような俯瞰イラストも差し込みながら説明しています。

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これは私が新人のころ、文字だけでは地形のイメージが沸かない時によく見ていた図です。とても分かりやすいです。

 

更に、地形に関する地図だけではなくハザードマップの紹介もしています。

 

大阪、

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それに対してちょっと簡素な香川・・(^^;)

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そして、充実の三重!!(でもデータがギガクラス!)

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「M-GIS」で検索すると出てきます。

 

などなど、参加者さん全員の拠点の自治ハザードマップを教材にしています!!

 

ハザードマップは、お施主様がこれから長年暮らす土地や地域の災害リスクを事前に知ることができる手段のひとつです。

これからの時代、リスクは隠すのではなくお施主様と一緒に確認するものです。

 

また、近年の災害の多さ(特に東日本大震災以降)から、ハザードマップの管理者である自治体は、古いものを改訂したり、Web化したりなど、バージョンアップを繰り返しています。

そこで、宅地地盤の専門家である私たちは定期的に自治体のホームページをチェックしています。

なので・・・「みんな一緒だろう」と思って一度ダウンロードした地図を使いまわしていると、知らない間に更新されていて、お施主様から「古くないですか?」と指摘されてしまうかもしれません・・。定期的に自治体HPをチェック、気をつけましょう。

 

 

さて、地形の話に戻します。

 

「専門家って、難しい理論の話が好きだよねー」

ええ好きです。でも、今回は好きだから地形の話をしているわけではありません。実は、

 

地盤の事故地形や地質(土)を的確に読み取れないことで起きているのです。

 

昔(30年以上前)は調査すらもしていなかった現場が多かったと思いますが、20数年ほど前から地盤調査や地盤補強工事を行うことが浸透し始め、平成21年10月に住宅瑕疵担保履行法がスタートしたこともあり、今ではほとんどの事業者が基礎着工前に地盤調査・判定・基礎選定を行っています。

 

それなら地盤の事故は年々減っているのでは?

 

そうなってほしいところです。

しかし、実際は減らず、しかも似たような原因の事故が毎年出ています。何故でしょうか。

 

小規模住宅と呼ばれる一般的な木造住宅の地盤調査は、スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験(エスエスしけん))を採用することがほとんどです。追加調査をプラスすることもありますが、このSWS試験が基本となります。

 

SWS試験はボーリング調査に比べて安くて手軽です。調査機の設置面積も小さくて済むし、なにしろ安いので調査箇所数を多く取ることができるので、

地盤の支持力(強さ)より比較的上部の地盤のバランスが重要視される木造住宅に向いている調査方法です。

 

しかし、安くて手軽なため、地盤のバランスは見られても

土そのものを目視することができません。

 

目視、ここが重要です。

実はこれがネックです。

 

危険な土の代表格「腐植土」

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weblio辞書より

 

人為的な悪質盛土の「瓦礫・レンガ・ゴミなどの産業廃棄物」

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総合土木研究所 「基礎工」より

 

これらは試験の数値だけで判断していては見極められないものたちです。

これが見抜けないために事故が減らない。毎年同じ過ちを繰り返すことになっています。

 

ではどうやって見極めるのか。

 

見極め方法がちゃんとあります。日本建築学会の「小規模建築物基礎設計指針」でも書かれています。

 

「地形・地質を見極めること」です。

 

なぜなら、腐植土や産業廃棄物が入り込んでいそうな要注意の地形が分かっているからです。どういうところかというと、

「河川沿い・山間の谷地・切り盛り造成・谷埋め盛土・擁壁裏の埋め戻し・傾斜地への腹付け盛土造成など」です。

 

そのため地盤塾第1回は、要注意な地形を見分けるための資料の探し方を学んでもらうのです。

これが分かると、地盤判定のポイントも補強工法の選定基準も分かってきます!

 

4月24日開催の東京地盤塾の会員さんはここを意識して受講してもらうと講座内容がさらに頭に入りやすくなります。

大阪地盤塾の会員さん、第2回のあとで復習講座を行うので、わからないところがあったらぜひ質問してください!

 

東京地盤塾 第1回4月24日(水)開催

大阪地盤塾 第2回5月22日(水)開催です。

 

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